【完】ヴァンパイアとチョコレート
ミーナは青ざめてライルを見た。

彼は何も言わずにチョコレートを口に入れてガリっと噛んだ。

「昨日ご主人が『印』をつけたから、下手な雑魚は君の存在には気づいていないはずだよ」

ルネがミーナの膝に乗ってきて安心させるように言った。

「印?」

「昨日……家庭科室でお前の肩を軽く噛んだ。その時のあざがあるはずだ」

「え?でもあの後確認した時は見えなかったけど……」

「それはキミがまだ魔界の空気に触れていなかったからだよ。今は見えるはず」

そう言ってルネは手鏡を持って来てくれた。

軽く制服を下げて右肩を見てみる。

「これは……!」

(今朝、気づいたあのアザ……)

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