【完】ヴァンパイアとチョコレート
「な、何かまずかったの?」

「……お前が開けた扉は俺の……兄の部屋だ」

ライルは苦虫をかみしめたような顔をする。

「アイツはヴァンパイアの中でも力が強い。……こうして無事でいることが信じられない」

それを聞いて今度はミーナが驚いた。

あの明るいアンバードからはとてもそうだとは思えないからだ。

(そんなに危険な人だったんだ……)

「私……アンバードさんの髪の毛触っちゃった」

(それも思いっきり……)

「アイツの髪を!?」

「ありえない……」

ライルとルネに同時に言われミーナはさらにこう言った。

「サラサラですごく手触りが良かったから、三つ編みにして遊んじゃったんだけど…」

それを聞いてライルとルネは顔を見合わせる。

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