青の向こう



夏休みになると解放されるプールは在校生の恰好の遊び場となり、今聞こえてくる騒ぎ声もこちらの田んぼ道からは見えないが、学校のプールから聞こえてくる声なのだろう。


私もよく絵理ちゃんと通ったなあ。

コンクリートの土台の上にちょこっとしか見えない校舎を見つめながらふと思う。



二つの田んぼの間にある幅二メートル程の畦道はやはりカラカラに干からびていた。

稲が収穫を迎える秋や、田植えをする時期は少し抜かるんでいて、田んぼを抜ける頃には運動靴の表面には黄土色の土がまるでひどい模様を描く。

そんなわけで近道として団地に住んでいる小学生達からは重宝されるこの畦道も、その時期が来るとお洒落な運動靴を履く女子達には避けられていた。


私は男子達と同じで気にも止めないで、早く帰って遊びたいが為にこの道をよく通っていた。


一歩一歩この道の感触を踏み締めながら歩く。

たくさんの足跡が残ったままだ。

これも毎日プールへ通う子供達や田んぼの作業をしている農家の人の印なのだろう。

これも大事な夏の印の一つだ。
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