青の向こう



私はゆっくりと腰を置いた。短パンを履いているが為にあらわになっている太股が、肌色の岩の椅子に触れ、ひんやりする。


「冷た」

私は思わず声を出してしまったが、太股の熱でやがて慣れた。




やはりここにも蝉はたくさんいるようだ。

そばにある木々からぎんぎんした声が絶え間無く聞こえる。


夏に沈黙はなかなか訪れないらしい。


私はしばらく鳥居の方を見つめながらぼうっと座っていた。
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