サンタ…クロース?
突然の訪問者
そう、それは数分前に遡る

俺はレポートに追われていた。
書いても書いても終わらない課題。
そんな膨大な課題の量と、イライラした気分を少しでも鎮めるために、煙草を吸おう
としたその時…

バァン!
「ちゃーす!欲しいものを言ってくれ」
ドアを蹴破って侵入してきた男
それが今目の前で煙草を吸っているこいつだ。

「普通、サンタってのは煙突から入って、寝ている間に子供の枕元にプレゼントを置いて静かに去って行くもんだろ。それをお前は…」

「しかたねぇだろ。俺には先代みたいにトナカイに乗って空飛ぶような能力もねぇし、相手が欲しいモノを悟る力もねぇんだから。そうなったら一人一人聞いて回るしかねぇだろ?」

…本当にあきれた男だ。いや、そもそも…

「だからってドア蹴破ることもねぇだろ!ていうか、何でそんな何も力のない男がサンタになれるんだよ!それなら、俺だってサンタになれるじゃねぇか!」

「お前は人間だろ?俺はサンタの…ていうか天使の子供だからな」

…は?こいつ、今何て言った?
サンタの息子?そこじゃない、天使の子供?
…それを信じろと…?

「一つ聞いていいか?そもそもサンタ…先代ってのは老人だったろ?その息子がそんな若いのか?いや、いてもおかしくは無いんだが…」

「俺は若いって言っても、人間で言ったら62歳だぜ?」

「…はぁ?」

何度この疑問の言葉を発しただろう。
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