deep forest -深い森-
「オヤジ殿が芸術家になどならなければ、オレも栄ゑの目を気にする事なく色遊びに狂えたものを」
涼と、怪訝そうな顔で今にもはだけそうな白い胸を涼に押し付けている女に冷笑を返す園生。
女の肌は荒れ、瞳が幾分大きい他には、これといった特徴もない。
その瞳でさえ一般より『幾分』大きいだけで、先刻出逢ってしまった女に比べれば、その大きさなど称えるに値しない程度のものでしかない。
田舎から口減らしの為に売られてきた、どこにでもいる女郎。
桜のような品も気高さもない。
園生は正直、何故涼がこの女を囲うのかが理解出来なかった。
絵のモデルを探すならば、他に幾らでも見栄えの良い女はいるだろうに。
そう、それこそ先刻の女のように、美しい女が・・・