不滅の妖怪を御存じ?
『河童の特徴を書きなさい』
六歳に出す問題なだけあって簡単な問題だ。
肌が黄緑色、頭部に皿。
引っかけがあるとしたら、キュウリが好き、というイメージだろうか。
漫画や本では河童はキュウリが好きというイメージで通っているが実際はそうでもないらしい。
河童にだって好き嫌いはあるようだ。
さて、このくらいの問題なら解けるだろう、と桜は首を伸ばし藍の答えを見る。
『肌が黄緑色、頭部に皿、デブ』
明らかに最後の二文字は要らない。
彼女は何故河童にデブというイメージを持っているのか。
河童が可哀想だ。
桜は少し眉を歪ませて次の問題を見た。
『ぬらりひょんの特徴を書きなさい』
ぬらりひょん。
妖怪の中でもメジャーな部類ではないだろうか。
海坊主の一種。
簡単だな、と思い藍の答案を見ると真っ白だった。
桜は一瞬キョトンとする。
え、こんなのもわかんないのかよ。
嫌味っぽいが本気でそう思ってしまった。
こんなんじゃこいつ落ちるな。
結局口だけの奴か。
第一印象がインパクトあっただけに、なんだよ、という不満が心に広がる。
これ以上見る必要もないか。
桜がそう思い立ち上がろうとすると目の端に最終問題がうつった。