不滅の妖怪を御存じ?




『牛打ち坊の特徴を書きなさい』

『黒い獣、タヌキにちょっと似てる』


なんでそんなマイナーな妖怪知ってんだよ。
思わず桜は目を大きくする。

ぬらりひょん知らなくて牛打ち坊知ってるって、この女はマイナー妖怪好きなのか?

そもそも最終問題なんて解ける人はいない前提のいじわる問題。
配点も一番高い。
いや、それよりも。

桜自身つい最近牛打ち坊という妖怪を知ったばかりなのだ。

十年間鬼道学園に通ってようやく得た知識をぬらりひょんも知らない女が知っていた。

ぐぐぐぐぐ、と胸に悔しさだかわけわからなさだか、モヤモヤしたものがこみ上げてくる。
一応、俺鬼道学園では二位なのに。
なのに、こんなひょっと出の女に妖怪の知識で劣るなんて。
いや、劣ってはいないが、なんか悔しい。



ぐぉぉ、と一人悔しがる桜は、実際に藍が自身の家の風呂場で牛打ち坊に会ったことがあるとは考えなかった。




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