anjel
確かに学祭期間は、卒業した先輩達がよく見に来るし、
メールで翔先輩が私の甚平姿見たいって言ってたけど。
…本当に見に来ると思わなかったから、
すごくびっくりした。
ううん。
今も、驚いてる。
「……とまあ、この2つは口実で~」
と、ふざけた口調の亮二先輩。
口実…?
「昨日、亮二から幸望ちゃんの話聞いてね?
心配になって、見に来たんだ」
ゆっくりと私の髪をなでるみっくん先輩。
「色んな事を抱えすぎてないかなって思ってね」
「……はぃ……」
「一人で、泣いているんじゃないかって心配した」
「………っ……」
みっくん先輩の言葉に、また涙が出そうになる。
「泣きたいときは泣いてもいいけど、
一人では泣かないでね」
私と同じ目線までかかんで、先輩はそう言った。
「俺の前では笑っててよって言ったけど、
泣くのなら、俺たちの前だけにしてよね?」
「幸望りんが元気ないと、歌にまで出ちゃうしね~」
「演奏してる俺らも悲しくなるし!」
「…仲間なんだから、俺らの前ではいくらでも泣け。」
先輩たちの言葉で、我慢していた涙が一気にあふれ出した。