anjel








『ガラッ』


「みっくん!!」


乱れた息のままそう言ってみっくんを見ると。


「幸望ちゃん、いらっしゃい」


と、涼しい顔をしながらそう言う。


「え……?」


「あ、幸望りんもしかして勘違いした?」


ごっめーん、と笑う亮くんに絶句する。


「瑞希が俺らに話したいことがあるらしいんだ」


「…亮二の阿呆」


「翔!?」


…ようするに、私が悪いってことで。


「すみません、取り乱しちゃって…」


あはは、と苦笑いをする。


「じゃ、揃ったし話すね」


座って?と促され、個室特有の少し大きなソファに座る。


「…実は、心臓移植を受けないか?って話があってね」


「心臓移植?」


「脳死になった人の心臓と、俺の心臓を取り替えるんだ。もちろん、血液型とか色々合わなきゃ無理なんだけど」


それじゃあ……


「心臓移植したら、みっくんは生きられるってことですか…?」


私の言葉に頷くみっくん。


「そういうことに、なるね」


一筋の、光が見えた。


私は嬉しくて、泣きそうになる。


「もちろん受けるんだろ!?」


亮くんが興奮した様子でそう言う。


「よかった…」


と、翔が安堵の息をつく。


「うまくいけば、また一緒にバンドできるな!」


嬉しそうな奏ちゃんの声。










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