君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
欲しがっただけキスをもらった、直後。
なじみのある感覚に、私は跳ね起きた。
新庄さんを突きとばす勢いでベッドを降りると、寝室を飛び出す。
滴りかける、赤いもの。
26年も女をやっていれば、こんな事態でもどこも汚さずにすむんだから、たいしたものだ。
そんなことが、慰めになるわけもなく。
「すみません…」
うなだれて部屋に戻ると、新庄さんは、おそらく私が突きとばした時のままの格好で、呆然とベッドに座りこんでいた。
来ました…とつぶやくと、さすがに同棲経験があるだけあって、察しがよく。
「…今?」
と、身もフタもないことを訊いてきた。
うなずいて、かろうじて着ていたキャミソールとスカート姿で、隣に腰をおろす。
新庄さんは、上は裸、下だけデニムを履いた状態で、まだぽかんとして。
「初めてだ、こんなの」
と、さらに身もフタもないことを言った。