透明な君


「サトルっ…!?」



気づかなかったっ。
廊下側の壁に背中を預け座っていたなんて。


ちょうど僕の死界にいた。


「お前ウソつくとき目が泳ぐよな。そんで口元が笑うんだ。」


「…………っ!」


僕自身が知らない僕の癖…。
今ここに鏡があったら
すぐに覗いていただろう。


単純という言葉が
耳元で木霊する。


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