透明な君
「偶然じゃないの?サトルがウソだと思った時たまたま僕の顔がそうなってただけで…」
「なめんなよ?何年お前と付き合ってきたと思ってんだ?」
サトルの顔が
今まで見たことのないくらい険しい…。
サトルが怒っている。
サトルの怒りなんて何年ぶりだろう…?
僕がいじめられていた時以来かな…。
普段隠している獰猛な目つきで
イジメていたヤツらを睨みつけ
我を忘れるほど
殴り合いに溺れたサトル…。
その時の目が
今僕に向けられている。
背筋に何かが通り過ぎ
ゾクリとした。
イヤな汗が
体中から流れてる…。