透明な君
同時に
イラつきがこみあげていた。
まただ…。
この前の母さんへと同じワケのわからないイライラが…
「11年だ。お前と過ごした年数は。お前のことは大概わかる。」
指先が小刻みに震えていた。
やめてくれ。
サトル…これ以上何も言わないでくれ!!
感情が制御できなくなる。
「も…言うな…」
息が荒くなる。
イラつきをおさえるために深呼吸し充分な酸素を取り入れようと体は必死だ。
傍らでヒトミちゃんが目を瞑って僕とサトルの言葉を聞いてる…。
「ハルキ。まだ受け入れてないんだろ?」
黙ってくれ!!!
サトルっ!
汚い言葉は もう吐きたくない…っ。
「サトル…黙っ……言うな…っ」
「黙らない。
お前が言わないなら言わせるしかねんだよ。なぁ、どーなんだよ、ハルキ?」
「言うな…何も…」
「言えよ。ハルキ。」
誰かっ!
サトルの口を塞いでくれっ!!
いやっ違うっっ!
僕の口を塞いでいてくれっ!!!