透明な君
「サトル…傷つけたくないんだ…よ…。自分がとめられなくなる…」
ぎゅっと拳に力をいれた。
「知ってるよ。お前の親父さんから聞いた。お前おばさんに最低なこと言ったらしいな」
サトル…
「俺にも言ってみろよっ!お前は人を傷つけたくないとか心配かけたくないとか思ってっかもしんねぇけどなぁ」
黙ってくれ…っ
「きれいごとなんだよっ!!しょせん自分の傷を庇って抑えられなくなる自分を守ろうとしてるだけなんだっ!」
「…っせぇ」
ヤバい…ヤバい!ヤバい!!ヤバいっっ!!!
「そうやってお前は今まで何人傷つけた…?」
何かが…プツンと
音を立てた…。