透明な君
「サツキがいない生活をだよ」
ギリッと
ハルキの手に力が入った。
大きく息を吸い込み
一気に言った。
「サツキは死んだんだから」
カッとハルキの目が見開かれ思わずうめきそうになった。
物凄い勢いと力の入った右腕の拳がサトルの左側からキレイに入った。
勢いで机や椅子に体ごと突っ込んだ。
教科書やルーズリーフが散乱した。
「…ってぇ」
口の中にじんわりと
血が滲んだ。
机にぶつかった衝撃で腕も痛んだ。
最近人気のある芸人の歌とは逆に
左側から衝撃がきたら
どうすればいいんだ?
なんて
余裕ねぇくせに くだらねぇこと考えてらんねぇな…。
覚悟はしていた。
だが 痛すぎる。
くそっ!!
痛む体を強引に起きあがらせ、親友に立ち直った。