透明な君
報告よろしく、と三人は各々の場所へと帰っていった。
「はぁ…で?何があった?若者ども」
くしゃってなった笑顔が怒りと闘争心を静かに吹き消してくれた。
頭ごなしに怒ったり
一方的に決めつけて物事を大きくしないように…と
現代に多いズルくて弱い教師とは違う。
まだ若いこの担任教師はどこか父さんに似ているな…と ハルキは思った。
あの時の父さんも
優しい顔をしてくれた。
そして先生も…。
それは…
僕がサツキを異常なほどに愛していたことを
知っているからだろうか?