やっぱり愛おしい
「課長、離してください。」
さっきから何度私がお願いしても、藤堂課長は私を離してはくれない。むしろ、顔の距離は段々縮まっていく。
胸が高鳴って、背中を通り越して、全身への緊張感も止まらない。

課長はクスリと笑い
「本当に小悪魔だな。なら俺もハッキリ言ってやる。
……俺はお前が好きだ。
せっかく上司と部下でいようと思っていたのに、お前が俺を焦らして煽るせいで、俺は自分にイライラするほど、お前が気になって仕方がない。」
「えっ!?」
「だから田村、お前も俺が好きなんだろ?
言えよ、俺が好きだって……俺がほしいって言えよ。」

藤堂課長からの告白に、私は言葉を失いそうになる。
うれしい気持ちより、本当に?冗談じゃなくて?の方が強くなり、素直に受け入れられない。

だって私は、あからさまに好きだと態度を示したことはないはず。
それに、優れている課長に比べると、私はただの平凡な社員であり部下だから、からかわれてはないのかな?
まだ信じられなくて、私も好きだって言えない。









< 19 / 81 >

この作品をシェア

pagetop