やっぱり愛おしい
「あのさ、田村が藤堂部長とふたりで食事をしているのを見かけたことがあったんだ。その時の田村は、俺には見せてくれなかった純粋でかわいい女性の顔だったから、部長が好きなのかなぁって。
田村、どうなんだよ?」
「……。」
黙ってしまった私に
「別に俺は逆恨みしてないし、このことを他にペラペラしゃべる気はないけど、
田村が部長を好きなのかどうか、俺は知りたいだけなんだ。」
どうなんだ?と井上さんはそう言いたそうな顔をしていた。
麻ちゃんと柴田さんは心配そうに私を見ていた。

「うん、私は藤堂部長が好きよ。」
お付き合いしているまでは言わないけど
、井上さんにもどうせなら、ハッキリと部長が好きだとわかってもらう方がいいと思ったし、見られてしまっていたのは
想定外だったけど、今の井上さんの「逆恨みはしない。」「口外しない。」を同期仲間として信じることにした。

「やっぱりそうか。俺が告白した時、すでに田村は部長が好きだったんだな。」
井上さんは一瞬苦笑いした後
「でもな田村、部長はやめといた方がいいと思うよ。」
と、突然妙なことを私にむかって言ってきた。






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