やっぱり愛おしい
「どう言うことですか?」
井上さんが何を言ってるのかわからなかった。
「部長はやめておいた方がいい。」って、聞き間違いじゃないよね?

「おい井上!!まだ田村をあきらめきれないからって、その言い方は同期としてあんまりだぞ!!田村が藤堂部長を好きなことをお前が口出しする権利はないぞ!!」
井上さんの言葉を黙って聞いていた柴田さんが、井上さんに忠告してくれた。

「あっ、違うんだ柴田。そう言う意味じゃないんだ。不愉快にさせてごめん田村。俺だってこんなこと言いたくないんだ。でも俺は見てしまったんだよ。
藤堂部長が先週、別の女性と仲良く腕を組んで歩いているところを……。」

聞き間違いであってほしかった。
でも聞き間違いじゃない。
貴晶さんが別の女性と腕を組んで歩いてた?

「井上さん!!見間違いじゃないの!?
本当にその男性は藤堂部長だったの!?」
麻ちゃんが私を心配しての確認も虚しく
「たしかにあれは藤堂部長だった。だって俺は、部長が女性に“タカ”って呼ばれていたのを聞いたんだよ。それに部長はうれしそうな顔をしていたから。」
井上さんの言葉に、私はそれ以上何て言っていいのかわからなくなった。
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