【完】キセキ~君に恋した時間~
「目立ってるのは、あんたが───」
「あんたが?」
先を促すようにそう言うと、何故か美海
が、はた、と言葉をとめ、みるみる内に
真っ赤になった。
それに驚いて、目を見張った俺を思い切
り叩いてくる美海。
「痛っ!なんで叩くの!?」
「もー最低!なんてこと言わせるつもり
よバカっ」
知らんがな!
ていうかなんて言いたかったんだ。
「あれー、美海ちゃん?」
ふと、そんな声が聞こえてきて、みると
女の子数人のグループが、こっちに来て
いた。
美海はそれを見つけると、俺を叩いてい
た手を引っ込め、ニッコリと笑った。
「な、なにー?」
「なにーっていうか……え、ちょっと美
海ちゃん、その男の子誰!?」
「え、もしかして倉科さんの彼氏!?」
「えーっ!めっちゃイケメン!!」