【完】キセキ~君に恋した時間~
ニコニコと今日一番の機嫌のよさそうな
笑顔を浮かべる美海と、文字通り目が点
になる俺。
「……はい?」
ようやく出せた声は、情けないくらいに
ちっちゃかった。
「だから、お昼は徹が奢ってくれるんで
しょ?」
「なにいってんの?」
俺の財布事情なめてんの?
五百円の出費さえも悶えるほどにキツイ
俺に、昼飯を奢れだと……!?
「おにぎり一個でもいいなら」
「ぶっ飛ばすわよ?」
え、ぶっ飛ばすわよって!そんな横暴な
!
「そんなんだから、あんたそんな細いの
よ!」
「いやいや。いつもおにぎり一個なんじ
ゃ無いけど」
「とりあえず、行こ?」