【完】キセキ~君に恋した時間~
即答したのが気に入らなかったのか、不
満気な表情を浮かべる栄生君。
でもほんとに、栄生君が何を思って俺を
バスケ部に誘うのかわからないんだ。
ほんと、経験も無いし。
「どうして徹君は頑なに誘いを断るの」
「どうして栄生君は俺を誘うの」
しばしのにらみ合い。
だがしかし。
栄生君のあまりに真っ直ぐで揺らがない
瞳には、もうすでに負けてしまいそうだ
。
「徹君が欲しいんだ」
「質問の答えになってないよ、栄生君」
いきなり欲しいんだとか言われても。
「徹君のその身長の高さを上手く生かせ
れば、すごい力強い味方になると思うん
だけど」
「いや、それはない……」