【完】キセキ~君に恋した時間~
「じゃあ、ここからシュートしてみて」
……はい?
いきなりゴールからすごい離れた所に立
たされ、ボール持たされ、眩しく煌めく
笑顔でそう言われた。
「無茶ぶりだよ栄生君!」
思わず焦ってそう抗議すると、「なんで
?」とでも言いたげな表情を、栄生君が
浮かべた。
「そこから入れると、スリーポイントな
んだよ」
「いや知ってるけど!いきなりスリーで
すか!」
経験ないって散々言ってきたよね俺!
「ダンクよりましだろ?」
……ああ、わかった。
栄生君は無自覚なサドなんだ。美海も栄
生君も俺を虐めて楽しんでるんだろ、こ
のヤロー……!
「ていうか、こんな遠くから入るわけな
いだろ……」