【完】キセキ~君に恋した時間~





───トントントン……。



……ネットを掠りもせず、床に落ちた。



「……」


「……」



……無言とかヤメテ!



ていうか無理に決まってんじゃん!こっ
ちは未経験なんだっつーの!



スリーとか、授業でも使わねーよ!てい
うかボール届かないから!これ、俺悪く
ないから!!



──と、心の中で絶賛言い訳中。現実の
俺は青ざめながらフリーズ。



「うん、もう一回」


「ええぇ!?」



何事もなかったかのようにそう言った栄
生君にビックリ。



また俺に敗北感を味あわせようとするな
んて栄生君は鬼だ。



……もう!泣いちゃうよ?俺!





< 53 / 278 >

この作品をシェア

pagetop