トワイライト
  そして有は記憶を失くしたままこのトワイライトの浜辺のある美しい小さな島で、介護師兼臨時のホテルの従業員として働きながら生活をしていた。




「ねえ、まだ何も思い出さないのかい?」
 とそう聞かれて




「はい。まだ何も……」
 と、そう答える有に




「そうかい。まあ焦る事はないさ。全てを思い出すまでずっとこの島にいれば良い」
 と老婦人は優しく言った。
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