【続編】スパイシーな彼~彼女が生きた証愛した瞬間
瑞希は席に戻ると、祐輝の表情の暗さに驚いた。


昔自分が母親を亡くした時に感じた悲しみの気持ち…


言葉では表現できない、痛みと悲しみが、体全体を包み込むように襲ってきて、胸が苦しくなって…


今祐輝は、倒れた父親に、同じような気持ちでいると思うと胸が痛くなる…


「ああ…瑞希どう?いつもと同じかい?」


「うん…大丈夫。お薬も飲んでいるし、きちんと出てるから…祐輝、お父さん大丈夫よ。あきらめないで~きっと元気になるから。私だって祐輝に助けられたんだから~ねっ…」


「ごめん…瑞希心配してくれていたんだ。大丈夫だよ。まぁなるようになるさ~」


「大丈夫…きっと…」


二人はしばらく無言で窓の外を眺めていた。


どこまでも続く、雲の上の青空…


地球から遠く離れ、雲の上の青空に、どこか違う世界を感じている二人だった。
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