散華の麗人
踵を返し、城内へ入る。
風麗は前を見たまま追わずにいた。
「……そうでもしなければ、俺は俺でいられない。」
そんな声が風に乗って聞こえた気がした。
「全く、頑固だ。」
風麗はぼやく。
(狂おしいほどに想うくらいなら、何故……)
空を見て考えた。
(もし、私が……)
想像してみる。
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