散華の麗人
そして、どこか納得したような顔をする。
「だが、俺に干渉する理由は解った。」
「嗤うつもりでしょう。」
「解りきった話を確認するな。期待しても否定はない。」
「……貴方は相変わらず、容赦ないですね。」
風麗は苦笑した。
「その敬語やめろ。気色悪い。」
「今は陛下でしょう?」
「此処にはそれを気に留める者はない。」
雅之は不機嫌そうだ。
「同じ立場の人間がこうすることがそんなに嫌ですか。」
「そうだ。細川国の傭兵。上も下もあるものか。今のところ、能力の上下も任務場差支えないと見受ける。」
その言葉に風麗は驚いた。
(平等に、人間を見ている。役に立つ人間には等しく、役に立たないものは切り捨てる考えか。)
実力主義。
人間関係で損をするタイプだろう。
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