散華の麗人

野望

少し気配を感じて2人は黙る。
「陛下。」
何処からともなく声がする。
その声は狐子だと一正は感じた。
「やっと、ジジィの都合が良くなったんか。」
「はい。それと、清零国王が到着なさいました。」
「あー……」
一正は嫌々ながらに頷いた。
「参りましょう。」
風麗は一正の背中を押す。
「解ってるから、押すな。」
「もうひと押し必要かと思いまして。」
「いらん。」
一正は溜め息混じりに言った。
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