散華の麗人
リアンは夢を語るような口調で言う。
「僕の目的は誰の支配も受けることがない策士になること。政治を動かし、嘗ての雪辱を払う。」
真っ直ぐと見据えて言った。
「かつて、梁麗という国があった。」
リアンは話す。
「その国で、僕は愛した人を喪った。」
「憎しみか。」
「いいえ。」
一正にリアンは首を振る。
「僕は二度とそうさせない為に力を持つ。これ以上、何ひとつ奪わせはしない。」
その視線は野心と欲望に満ちていた。
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