散華の麗人
その時、竹刀が手から離れた。
「わっ!!」
武器を弾かれ、腕を掴まれて地面へ叩きつけられた茶々は即座に起き上がる。
「……まいった。」
「参りました。」
惣右介と茶々は正座して風正を見た。
「ふん。……元より期待などしていなかった。」
風正はそう言うと木刀を構える。
「もたもたするな。竹刀を取れ。」
「はい!」
「おう!」
それから、風正は二人に剣技の基礎から教えていた。
怒号と悲鳴が敦賀の方にも聞こえてきたが、敦賀も家臣も風正が相手ならば仕方ないと合点していた。
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