恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
◇
「いらっしゃいませー」
少し立ち位置を変えただけで、コツンと足音すら響きそうなほど、人気のないフロア。
希に通り過ぎるお客様に、一遍通りの会釈をする。
今日はいつにもまして、暇だ。
続く閑散期に、前倒しで出来る作業ももう残っていない。
「本社に売上報告、気が重いわぁ」
店長のぼやく声。
カウンターの外からは見えないが、内側で店舗用のノートパソコンを開いている。
「でもこの時期、どこの店舗も同じだし、平気じゃないですか」
私は通路側向き、店長に背を向ける形。
「それでも激は飛んでくるのよ。どうしたの、全くやる気ゼロねぇ」
背後からの非難を含む声に、どうもしないですよ、と視線は宙を舞う。
だって左を見れば恵美がいて、前を見れば笹倉が居る。
前後左右でいえば2方向を封じられた状態だ。
結果、宙を見る選択。
あの日、恵美の気持ちに気付いてから。
確証はない、でも確証とることもできない。
私は、恵美とも笹倉とも、視線を合わせられずにいいた。
「いらっしゃいませー」
少し立ち位置を変えただけで、コツンと足音すら響きそうなほど、人気のないフロア。
希に通り過ぎるお客様に、一遍通りの会釈をする。
今日はいつにもまして、暇だ。
続く閑散期に、前倒しで出来る作業ももう残っていない。
「本社に売上報告、気が重いわぁ」
店長のぼやく声。
カウンターの外からは見えないが、内側で店舗用のノートパソコンを開いている。
「でもこの時期、どこの店舗も同じだし、平気じゃないですか」
私は通路側向き、店長に背を向ける形。
「それでも激は飛んでくるのよ。どうしたの、全くやる気ゼロねぇ」
背後からの非難を含む声に、どうもしないですよ、と視線は宙を舞う。
だって左を見れば恵美がいて、前を見れば笹倉が居る。
前後左右でいえば2方向を封じられた状態だ。
結果、宙を見る選択。
あの日、恵美の気持ちに気付いてから。
確証はない、でも確証とることもできない。
私は、恵美とも笹倉とも、視線を合わせられずにいいた。