恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
あの日から、2週間。
この男は三日と開けず店にやって来る。
今じゃすっかり、店長ともカナちゃんとも仲良しだ。
はじめは恵美に見られたらと思うと気まずかったが、こう何度も来られると今更諦めもついてきた。
ただ冷やかしに来るだけじゃなく、出向先の手土産だとか家で食う分だとか大小関わらず何か買って行くので無下にも出来ない。
家で食うとか、絶対嘘だし。
イメージ沸かない。
いい加減時間稼ぎにも無理があるので、拭き掃除の手を止めて談笑する二人に向き直る。
今日は、ひと切れサイズのバームクーヘンを買ったようだった。
「ほら、もう掃除はいいから」
店長の差し出した手にダスターを乗せると、店長がしきりに藤井さんへ目線を走らせる。
わかりましたよ。ちゃんと相手しますよ。
「いつもありがとうございます」
小さく会釈すると、藤井さんは小袋に入ったバームクーヘンをちょっと掲げて笑った。
「いい加減食べ飽きるかと思ったけど、意外に癖になるな」
「甘い物好きなんですね」
「結構食うよ。チョコとかも。頭使うから糖分補給」
「え、頭使うことあるんですか」
「お前、営業なめんなよ」
冗談ですよ。
と意味を込めて、べ、と舌を出した。
この男は三日と開けず店にやって来る。
今じゃすっかり、店長ともカナちゃんとも仲良しだ。
はじめは恵美に見られたらと思うと気まずかったが、こう何度も来られると今更諦めもついてきた。
ただ冷やかしに来るだけじゃなく、出向先の手土産だとか家で食う分だとか大小関わらず何か買って行くので無下にも出来ない。
家で食うとか、絶対嘘だし。
イメージ沸かない。
いい加減時間稼ぎにも無理があるので、拭き掃除の手を止めて談笑する二人に向き直る。
今日は、ひと切れサイズのバームクーヘンを買ったようだった。
「ほら、もう掃除はいいから」
店長の差し出した手にダスターを乗せると、店長がしきりに藤井さんへ目線を走らせる。
わかりましたよ。ちゃんと相手しますよ。
「いつもありがとうございます」
小さく会釈すると、藤井さんは小袋に入ったバームクーヘンをちょっと掲げて笑った。
「いい加減食べ飽きるかと思ったけど、意外に癖になるな」
「甘い物好きなんですね」
「結構食うよ。チョコとかも。頭使うから糖分補給」
「え、頭使うことあるんですか」
「お前、営業なめんなよ」
冗談ですよ。
と意味を込めて、べ、と舌を出した。