恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「…何笑ってんだよ」



思わず浮かんだ笑いに、彼が抗議する。


やっと少しだけ、表情が動いた。
唇を尖らせている。



「や。今日同じこと恵美にやって、振られて帰ってきたからさ。なんかおかしくて」

「だったら振られた方の気持ちわかるだろ。おら、早く開けろ」

「………」

「開けてください、お嬢様」

「…もう、わかったって」



あはは。
堪えきれずに、笑い声が漏れた。


玄関を開けて、どうぞって促す。


とりあえず、ご相伴に与ろう。
お腹空いたや。


彼が、空気を軽くしてくれたから、力が抜けて急に空腹を感じた。


お弁当の匂いに誘われたのもあるけれど。

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