恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「藤井さんが気にするタイプとは思いませんでした」

「臭いを気にする素振りくらいは見たかったってこった」

「だったらきっと最初からラーメン屋は選ばないですね」



ラーメンがいいと言ったのは私だ。
納得したのか、また前を向いて食べ始めたのを私は横目で確認する。


気を悪くしたのかと思ったが、そういう訳でもなさそうだ。
この人とはこういうのが楽でいい。


このところ急激に変わった人間関係の寂しさが、少し紛れているのは確かで実は少し感謝もしている。


そもそもは彼が引っ掻き回したからだ、というのもちょっと感じるけど、元々あった問題が溢れ出しただけというのが、実際のところなのだから。



「今日は私おごります。このところご迷惑かけてるので」



食べ終わってお腹も満足し、合掌しながらそう言った。


安いものだけどせめて、と思ってのことだったが、彼から返事がなくて伺うと、随分と微妙な表情。


困惑顔。


こっちが困惑するっつーの。
< 156 / 398 >

この作品をシェア

pagetop