恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
結果……寄り目。


なんでって、鼻をつままれてるから。



「…ちょ…痛…」



鼻をつまんだまま、上下左右にぐにぐにと揺らしてくるから、痛くて私はぎゅっと目を瞑った。



「やっぱスタートラインが違うからな、追い込みかけるにはどうしたらいいと思う?」



追い込みって。
私は、以前鼻をつまんだままの手に抗議するべく手首を掴んで言った。



「とりあえず鼻を離すのがいいと思います!」



オヤジギャグみたいになった。
決してわざとじゃない。



「いたっ」



鼻を引っ張って引き寄せられて。
まるっきり色気のないやり方に油断していた私は、ぱ、と解放された鼻と同時に目を開く。


そうしたら、目の前いっぱいに柔らかく笑む男の顔があった。
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