恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
シフト表と照らし合わせて、確かに恵美ちゃんが疑う人物なら可能だった。


かといって、特定できる日は少なく、悪戯された細かい時間までははっきりわからないから、それだけで確定ってわけでもない。


また美里に何かあれば、藤井から連絡をもらいその都度可能性を狭めていくしかないが。


その度にあの男と話さなければいけないと思うと、イライラも募る。


それに、特定できたからってどうなんだ?
証拠でも掴まなきゃしらばっくれて終わりだし。


自分で後悔してやめてくれりゃ、それが一番、だが。
放置してエスカレートしたら、まずい気もする。


狭山の噂は今のところ女子の間だけのようだが、それが男性職員にも流れればまた別の危険もあるような気がした。


店のカウンターの隅で、売上帳の記入をしていれば三輪が近寄ってきて、俺の目の前にある書類棚を指差した。



「先輩、配送伝票の控え、もらっていいですか」

「ん」



2段目を開けて控えを束ねたファイルを取り、三輪に差し出した。
会釈しながら受け取り、俺の隣で控えの整理をし始めた彼女を横目で見、記帳の手を止めた。



「なぁ。嫌いなやつっている?」
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