恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
カフェから駐車場までの道程、今は長袖でも少し肌寒い。
藤井さんと会ったばかりの頃は暑すぎるくらいの季節だったのに。


今日は人通りが多い。
少し離れていたら、間を何度も人が通って歩きづらい。


だからか、途中から藤井さんの手が伸びてきた。


「あ」

「あ?」

「手、つなぐのあの日以来ですね」

「…ああ、あの日な。はは」


自然と笑いが溢れる。
あれはかなり恥ずかしかっただろうな。


私は精神状態普通じゃなかったから、恥ずかしいとか思う余裕もなかったけど。
あんな風に急に大泣きしたり、激昂したり、私ってお母さんに似てるのかな。

ふと思いついて、自分のことながらぞくりとした。
余り、うん。似たくないところだ。


「あれは、な。うん。ここらに捨ててやろうかと思った」

「…どーもスミマセン」

「棒読みやめろ」


ははは。
ほんとにごめんなさい。悪かったと思ってます。


感謝を込めてきゅっと握った。



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