恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
相手の気持ちを確かめもせず思いこんで、最初から心に予防線をはっておく。
いつからそんな癖ができたんだろう。


「臆病なのもそろそろ卒業しねぇと、被害甚大だな」


無言で突っ立ったままの私に溜息をつく。
すっと手を伸ばすと後ろのドアを開けて私の頭を沈めて車の中に押し込んだ。


反対側から乗り込みながら、彼が言う。



「あいつにちょっと、同情するわ」

「え、あいつって」

「笹倉しかいないだろうが」



誰、って聞こうとした語尾に被せられた。
エンジン音がして、ゆっくりと車が動き出す。


「え、男子会って、どんな話しました?」

「ひみつ」


決して盛り上がらないだろうと思ってた男子会、案外と話に花が咲いたのかもしれない。


どんな?


考えただけで、いやな感じに心臓がどきどきした。


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