恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~



「倒れたって…本当に大丈夫なの?」

「はい、さっき目が覚めたって本人から電話がありました。最初に連絡くれた人は、代理の人だったみたいですね」



昼食をとりながら、カナちゃんにみさの詳しい事情を聞いていた。


昨夜みさの母親が倒れ、慌てて駆けつけた彼女も病院で体調を崩して倒れてしまったらしい。
一緒に居た誰かがみさの携帯から連絡した、という経緯のようで。



「美里さんは、明日は出勤できるって言ったんですけど、店長が休みなさいって。私も店長も幸い、問題なく出勤できますし」

「そうね、多分実家の近くの病院なんだったら、帰ってくるにも時間かかるはずだし。休めるにこしたことはないわ」



とりあえず、事情がわかればほっとした。
カナちゃんと顔を見合わせて笑うと、そっちのけになっていたランチに意識を向ける。



「あ、携帯充電切れちゃったから後で連絡するって、恵美さんに」

「了解。もう、携帯も繋がらないから余計に心配しちゃったわ」



じゃあ、誰かの携帯借りて連絡してきたのか。


ふと、思い至った。
昨日は藤井さんがまた来て、晩御飯を一緒にすることになったとみさから聞いていた。


もしかして一緒に居たのは藤井さんだろうか。
思えば、自然と眉根に力が入った。



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