恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
仕事の帰りで、上手く時間が重なった時に渡せばいい。
そう思い、翌日には紙袋に入れて職場のロッカーに持ち込んだ。


ところがその日は夕方になっても狭山の姿は見えなくて、休みのようだと知った。


なら、また翌日、と思えばその日も出勤して来ない。


流石に、おかしいと思った。
年末のこの忙しい時期に、連休なんてありえない。


事実、狭山の店の店長もカナちゃんも、この一週間休み無しだ。
また、具合でも悪いのだろうか?



嫌な予感がした。



カナちゃんか、聞きづらいけど恵美ちゃんかを捕まえて聞こうかと思ったが、もうどこの店も忙しく、そんな機会も見つからないまま。


ウチの店も例外なく忙しく、帰りが遅くなって家を訪ねるのも躊躇う時間帯だった。


あぁ、言い訳かな。

それでもどうしても気になったら訪ねただろうし、メールだってなんだって、行動しようと思えばいくらでも方法はあった。




三日目も、狭山は出勤してこなかった。




狭山の店で、新しい販売員が雇われていたのを思い出した。
年末に向けての人員補充なのだろうと、その時は何も不思議に思わなかったが。


それが嫌な予感の答えじゃないのかと。


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