恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
思い当たる男関係といえば、合コンかどこぞでナンパされたか。


職場が以前一緒だったとか、その可能性は無い。
それなら流石に顔くらいは覚えているからだ。


ばっちり顔を覚えられて名前も知っているのなら、ナンパよりも合コンの可能性が高い。



「どれくらいぶりだろ、一年ぶり?」



最後に合コン行ったのっていつだっけ、と思い起こしながらとりあえず笑顔で取り繕う。
ただ、合コンで一緒だっただけならいいが。


兎に角、思い出せない以上は適当に会話を流して終わらせたい。



「もう2年くらい経つだろ。まだ遊んでんの?」

「や、合コンはさっぱり行ってない。お互いいつまでも遊んでる場合じゃないよねー」



手扇をぱたつかせて、軽口でやり過ごそうとしたら男が薄笑いに唇を歪ませた。



「じゃなくて、さ。やっぱ覚えてないんだろ。薄情だなぁ」

「えっ…」



図星を指されて頬が引き攣る。
そして、嫌な予感までが確定、だ。



「朝起きたら、ベッドも抜けの殻なんだもんな。ラブホに置き去りにされたのなんざ初めてだったよ」

「あー…」



視線を空へ泳がせて、右手で耳の後ろ辺りを掻き。
軽く肩を竦めて、観念した。



「ごめんね。若気の至りってよく出来た言葉だよねー」

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