カタオモイからはじまる恋
「はい、俺の腕掴んで早く立てよ」
「え」
悠稀の口から思いがけない
台詞が出て驚きを隠せない。
目を擦って目をパチパチさせる。
うん、夢みてない。
「早く」
悠稀はあたしの腕掴んで
あたしを立ち上がらせた。
「膝から血出てるし、俺ん家で消毒するか。来い」
あたしの鞄を持って歩き始める。
「鞄…自分で持つから」
「怪我人に優しくじゃなかったっけ?」
「そ、そうだけど…」
「もしかしてお前歩けねーの?」
静かに頷く。
そう、立てたのはいいものの
一歩も踏み出せない。
「嘘だろ」
と言って髪をくしゃくしゃにする。