シルティアの魔術師
ー次の瞬間。


再び私を眩い光が包み込むと、私はまた謁見室の扉の前に戻ってきておりました。



私は姫君の武器を脇に抱え静かに扉を開けると、そこにはいつもの姫君の笑顔がありました。


「ーおかえりなさい、シオン殿。」

「…遅くなりまして、申し訳ございません。」


私は深く頭を下げると、姫君の元に進み、武器を手渡しました。


「…あの、姫様…。タートスは…今日はいらっしゃいませんでしたか?」


私は、手渡しながら恐る恐る聞きました。
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