君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「櫻田の気持ちは分かった。行くぞ」



櫻田に対し、こんな感情を抱いてしまった俺に気付かれる前に話を遮り、足早に副社長室へと向かった。


そんな俺の後を櫻田も慌ててついてくる。


彼女の本心を初めて聞いたからこそ、より一層自分自身に気合いを入れる。


聞いてしまった以上、どうにかしてやりたい。


上司だったら当たり前に湧く感情。


だけど、後で振り返ると以前の俺にはあり得ない感情だった。

部下とはいえ、女のために自分が頑張るなんて...。


ーーーーーー

ーーーー


秘書の橘に案内され、副社長室前で一旦足を止める。


ドアをノックする前に櫻田を見ると、酷く緊張した面持ち。


そんな櫻田に俺はそっと囁いた。


「櫻田...大丈夫だから」


俺が守ってやるから。


「えっ?」


突然の言葉に、どうやら聞こえてなかった様子。


それならそれでいい。


何事もなかったかのように、俺はドアをノックし、副社長の返事を待って中へと入る。


副社長の表情を見ただけだと、どうも怒っているようには見えない。

だが、副社長は謎が多い存在。
そして恐ろしく頭の回転が早く、物事を瞬時に把握するその姿に、いつも憧れに似た感情を抱いている。


とにかく、今回の件に関して説明し、櫻田と謝罪する。

すると、副社長から意外な言葉が返ってきた。
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