君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
俺の考えなんて、お見通しで俺達二人を呼んだのはただ、櫻田が見たかったから...と。


さっきまでの張りつめていた緊張の糸が、一気に解れる。

だが、安心したのも束の間。副社長は事もあろうことか、俺が櫻田を秘書に指名したんだと、意味深な含みを持たせて話し出した。


確かに俺は副社長に聞かれて櫻田を秘書にしてもらった。

だけど、それは副社長の考えと俺の考えは全く違うわけで。

直ぐ様話を遮り、櫻田と二人足早に副社長室を出た。


すると、櫻田は今回の件について謝罪してきた。

別にそんな謝ることじゃない。


「部下のミスは上司のミスだ」


カバーするのが俺の仕事。
誰だって必ず失敗やミスはする。

そのミスがなければ、人は成長出来ないと俺は思う。


「それに、意外な櫻田の本音も聞けたしな」


「そっ、それは!」


営業についても、勉強したいと言っていた。

俺達の仕事を理解した上での言葉に、素直に嬉しい。


「これからも頼むよ櫻田」


俺の誤算だった。

櫻田菜々子という人物だけは...。


こんなにも意外な表情を見せ、こんなにも俺に色々な感情を持たせてくれるなんてな。


ーーーーーーー

ーーーー


それからの櫻田は変わった。
積極的に部下の仕事を手伝い、コミュニケーションも図る。

気付けば、あんなに女禁止を掲げていた営業部に、櫻田はすっかりと溶け込んでいた。


「なぁ、藤原。櫻田のこと、どう思う?」



「何急に。しかもそれを俺はどう返したらいいんだよ」


「どうって...。そんなの決まってるじゃないか。最近の櫻田の仕事ぶりだよ」






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