君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「圭吾...」

優は目を大きく見開き、驚いた表情を見せたが、すぐに前と変わらない笑顔を見せた。


「全く!圭吾のくせにいつの間にか立派な男になっちゃったのね」


そう 言いながらまた優は俺の背中を叩く。



「いや、今日、優に会えたからだよ」


「えっ...?」


「俺さ、ずっと奈津美のことを引きずっていた。だから奈津美と繋がりがある優と会うのが怖かったんだ。...優と会ってしまったら、あいつの欠片を追い求めて、どうしようもなくなっちまうんじゃないかって思ってな」


「...そっか」


「でも、違ったから。素直に昔と変わらない優と会って話せて楽しかった。...昔に戻ったみたいだよ」


こうやって本音を話せるのも、弱い自分を出せるのも。



「なんかさ、私達って似た者同士だね。数年間、損した気分だわ」


「確かに」


お互い顔を見合わせると、つい笑ってしまった。


「そう考えると、会うきっかけをくれた菜々子ちゃんに感謝しなくちゃね」


「そうだな」


すると、なぜか急に優は立ち上がった。


「そろそろ解散しようか。私、明日も仕事あるし、第一菜々子ちゃんが可哀想」


優につられて隣で寝ている櫻田へと視線を向ける。


まるで子供のように寝息をたてながら、気持ち良さそうに眠っていた。


「あらら。そ~んなだらしない顔しちゃって!」


「は?」


「本当に圭吾ってば、無意識なのね。鏡持ってるから貸そうか?」


「...いらねぇから」


柄にもなく照れてしまったが、こんな自分に気付かれたくなくて、平然を装う。



「あはは!今度は照れてる!いい歳して可愛いとこがまだあるのね」


そう言いながら優は大爆笑。


ますます居たたまれなくなり、再度櫻田を揺する。


「おい、櫻田!起きろ。帰るぞ!」


「んー...」


声を掛けるが、櫻田は寝返りを打っただけで、また眠りについてしまった。


「勘弁してくれよ...」


「菜々子ちゃん熟睡しちゃったわね。じゃ私は帰るから。ちゃんと送り届けなさいよね」


そう言うと優はさっさと帰り支度を始める。

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