君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
渡された缶ジュースを受け取り、近くの椅子に腰掛けた。


「あの...昨日はありがとうございました」


遅くまで付き合わせてしまって。


「何?別に俺、櫻田にお礼言われるようなことしてないけど?」


藤原係長も缶ジュースを買うと、隣の椅子に腰掛けた。


「遅くまで付き合わせてしまったじゃないですか」


それにだいぶ愚痴も言っちゃっただろうし。



「あれはただの飲み会だろ?楽しかったし。櫻田の意外な一面が見れたし、本音も聞けたしな」


「そうですか...」


あまり覚えていない分、恥ずかしいわ。


誤魔化すように買ってもらった缶ジュースを開けて、一気に飲む。


「...で?だいぶ楽になった?」


「はい」


聞いてもらえて本当にスッキリした。



「そっか。なら良かった。...だけどまぁ、アレだな。楽になった次の日、まさかこんなことになるとは夢にも思っていなかっただろ?」


「そりゃ勿論!...驚きましたし、なんかショックでした」


「ショック?」


「はい。...仕事を取り上げられてしまった気分で。東野さんにお前はいらないって言われた気分でした」


信頼してくれてるって思ってた。仕事でもプライベートでも。


「ふ~ん。櫻田でもやっぱ、やきもちやくんだな」


「えっ?」


やきもち?


「そう。元カノとかっていう前に、東野が自分以外の女と普通に話して一緒に仕事をしていることが、嫌なんだろ?」


私が、やきもち...。


「何?その顔だと無意識だった?...だけど当たり前な感情だと思うぜ。俺が櫻田の立場だったら、いくら仕事中とはいえ、目の前であんなこと恋人に言われたらやっぱショックだし、仕事なんて集中出来なくなりそうだぜ。...その点櫻田はさすがだな。一切顔に出さずに、仕事してるんだから」


そんな、すごくなんてない。


「そんなことないです。...私、ずっとモヤモヤしたままですもん。必死に考えないようにしようってしてるだけなんです」


思わず持っている缶に力が入る。
< 321 / 411 >

この作品をシェア

pagetop