2LDKの元!?カレ
幸いなことに、まだ通勤ラッシュが始まる時間ではなかった。
おそらくあと一時間もすれば、通勤客で溢れかえるだろう。
私はホームに立つと、鈍く痛む腰を無意識にさすりながら電車が到着するのを待った。
帰ったらまずシャワーを浴びて、出勤する時間まで眠りたい。そうでもしないと今日の仕事に支障が出そうだったから。
何度もあくびをかみ殺しながら、私は電車を乗り換えて自宅マンションへと戻る。
リビングのドアを開けると、聡はリビングのソファーに座って新聞を読んでいた。
「……おはよう、聡」
「志保子、おはよう」
聡は広げていた新聞を畳んでテーブルの上に置いて、私の方に視線を向ける。
「今、帰ってきたのか。また朝まで仕事?」
「あ……うん、そう」
そう聞かれて思わず頷いた。
「そうか、あまりムリするなよ。志保子の仕事に対する姿勢は尊敬に値するけど、体を壊したら元も子もないからな」
嘘をつくつもりはなかったのだけれど、結果的にはそうなってしまって。労いの言葉なんてかけてもらう資格なんてないのにと、胸が痛んだ。